いつもだったら「どうした?」と部屋をノックする祐樹は、その日あたしの部屋をノックすることはなかった。



きっと泣き声が聞こえていたんだと思う。



「豊、豊」と泣くあたしの声が……



どうしていいかわからない気持ちを洗い流すように一晩中泣き続けた。



そして、あたしは立ち直った。



沢山涙を流し、沢山豊を想い、豊への気持ちを封印した。



さようなら……豊。



おめでとう……豊。