だって、この場所で笑いながら豊の誕生日を祝ってたかもしれないんだ。 お酒を飲みながら、豊の温もりに包まれていたかもしれない。 「……いや」 あたしは家を飛び出した。 豊との約束なんてもう関係ない。 ダレカタスケテ。 あたしのこの気持ちをどうにかして。 勢いよく階段を駆け上がり、家の中へと入る。 今日は鍵が開いている。 ってことは祐樹がいるんだな。 祐樹と顔を合わせたくないあたしはすぐさま自分の部屋へと入り布団の中へ潜り込んだ。