家の中に入り、玄関のドアにもたれかかっていると、翔のバイク音が遠ざかって行く。 「あたし……彼女になるなんて返事してないけど」 今日起きたことに疲れ果てたあたしはそのまましゃがみ込もうとしたその時 「帰ってきたのか?」 大嫌いな男がリビングのドアを開けて顔を覗かせる。 急いで靴を脱ぎ部屋の中に避難した。 「こんな家じゃゆっくりもできねぇよ」 持っていた鞄を放り投げ、ジャージに着替えた。 ストーブが点くまで時間がかかるから、体を温めるために風呂場へと向かう。