あたしは豊に手を引かれ、病院を出た。



もう日はすっかりと沈んでいて、暗やみと静けさがあたしの気持ちを不安定にさせる。



アパートに帰ってもその気持ちは変わらない。



こんな日は一人でいたくない。



翔や秀もそう思ったのか、真っすぐに家へは帰らず、今あたしの目の前に暗い顔をして座っている。



「有田どうだったんだろうな？」



翔がボソッと呟いた。



「アイツは不死身だろ？」



そう言った後に笑い声をあげた秀の乾いた声が部屋中を包み込む。



「俺のせいだ。すまない」



あたしの隣に座っていた豊は２人に向かって深々と頭を下げる。



「俺らに謝られても……なぁ？秀」



「あぁ。お前一人の責任じゃねぇよ。なんの情報も集められなかった俺達にも責任はある」



「でも、もし俺が後少し早く学校に着いていたら有田があんな目に合うことはなかった……」



それって……



「確かにな。頭のお前なしで俺等は身動きが取れなかったからな」



やっぱり、あたしのせいじゃん。



遅れてるのに急ごうとしなかったあたしが悪い。



「関係ないと思うぞ」



重たい空気の中、口を開いたのは翔だった。



「俺、アイツに言われたんだ」



「アイツ？」



秀が首を傾げる。