でも、どうしてだろう。



足はいつもよりも重たくて、いくら走っても有田の元へとはたどり着けない。



その間にも振り上げられた鉄パイプは有田の膝にあたり、有田は崩れるようにグランドに倒れていった。



「いやぁぁぁ!!!!有田ぁ!!いや!!いや!!いやぁぁぁーーー!!!!!!」



あたしもその場に崩れこむ。



もう走れない。



立っていることさえ出来ない。



息も苦しい。



有田。



有田。



有田。