「はやく送ってくれ」 あたしの言葉に豊は一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに「あぁ」と返事をして足を進める。 「ちょっと待ってよ!!今日からカナちんは俺が送るから」 足を止めて翔の方を見る豊…… 「俺達付き合うことにしたの」 あたしの肩に手を回した翔は豊に向かってそう言った。 「そうか。じゃあ」 豊はあたしの方は一度も見ずにドアを開く。 その背中に何だか切なくなる。