来年も豊とこうして一緒にいられる事を約束されたみたいで嬉しい。



顔がにやけないように必死で頬の辺りに力を入れた。



「俺の誕生日、7月14日なんだよ」



「えっ?丁度あたしの一ヵ月後?」



「あぁ」



「それならあたしも忘れねぇよ」



「だといいけどな」



確かにあたしの場合忘れる可能性はある。



でも、今日はそのことは黙っておこう。



気まずい雰囲気は、いつの間にかなくなって、あたしは豊の膝の中にいる。



話し合えば一人で考えていることとは違う結果が生まれる。



豊といるようになってわかったことだった。



「揉め事ってなんだよ?」



「お前が心配することじゃねぇよ」



「大丈夫なのか?」



「あぁ」



沢山走ったせいか、あんな所に長時間いたせいか、それともこの場所が心地いいせいか、何か話している豊の声が遠くに聞こえていた。