HEAVEN ROAD

あたしは小走りで電話へと近づき、受話器を手に取った。



覚えている番号は、ママのとこと祐樹のとこのみ。



ママに助けを求めたって来れるはずはないし……



祐樹しかないけど、こんな時間に家にいるかな?



神様、もう一度あたしに運を与えてください。



そう祈ってから番号を押した。



何故か震える手。



お願い、出て。



「もしもし」



「あっ、祐樹?あたし、カナ。道に迷っちゃって、今10円しかなくて迎えに来て欲しい……えーと、ここは……」



早く話さなきゃと思えば思うほど頭の中が混乱してしまう。



「カナ。いいから落ち着け。どこから道に迷った?」



「一志さんの家から走ってきて、気付いたらどこにいるかわからない」



「今、見える物を言え。落ち着いてだぞ」



あたしは息を大きく吸いながら辺りをゆっくりと見回した。



「民家が並んでいて、大きな川に橋がかかってる。後は……」



「取り敢えず探しに行くからそこから動くなよ。川の名前か橋の名前わかるか?」



「えっ?わかんない。どうしよう」



土地勘のないあたしには何もかもがわからない。