HEAVEN ROAD

「今日で最後だけど行きたいとことかなかったのか?」



あたしの食べた食器を下げながら、豊はあたしに背中を向けたまま話しだす。



「最後?」



「今日でゴールデンウィーク最後だろう」



「あぁ、一人でいないってことだけで十分」



「そうか」



そうだよ。



あたしはあんたがこうしていてくれるだけでいい。



仲良く家族で出掛けることなんて望んでない。



あたしのことを考えてくれる人と居られるだけで十分すぎるくらいだ。