「後ろに隠れてるその子が祐樹の?」



あたしのほうを指差した男は柄にもなく首を傾げている。



「そうっす。カナです」



「カナちゃんか。はじめまして。一志です」



怖いオーラとは違って物腰の柔らかい喋り方。



「はじめまして」



一志って……



どこかで聞いたことがあるような……



「取り敢えず中に入れよ」



「いつまで立ち話なのかと思ってましたよぉ~」



バコッと頭を叩かれた翔。



翔は誰に対してもあんな態度なんだなと感心半分、呆れ半分で2人の後へと続いた。



木造立ての大きなこの家は中に入っても、高そうな花瓶などがあちこちに置かれている。