「取り持つ気はないから他あたって」 「えっ?」 あたしの言葉に女は目をパチクリさせている。 「違うのか?」 「何が?」 「豊達、目当てなんだろ?」 「あー」 女はスッと肩の力を抜き、まぶしいくらいの笑顔で微笑んだ。 「違うよ。私の彼が豊先輩達の仲間なの」 「へぇー」 「だから、話しかけてみようかなって思って」 「そう」 「同じクラスだし」 「見たことないけど」 「今日、初めて教室来た」