「はっ?!何それ?誰も助けてくれなんて頼んでないし」



「てめぇ!!」



「髪はこのままで自分で切り抜ける。そんなこと言われるくらいなら仲間にはならない。やーめた、やめた」



誰かに頭下げてまで助けてもらいたいなんて思ってない。



「カナちゃんは知らないから……」



翔が寂しそうにこちらを見つめる。



「何が?」



「この学校の怖さ」



こいつらと話してても埒があかない。



あたしは立ち上がりドアへと進んだ。




「待て。わかった。何もしなくていいから、ここに居ろ」



豊の声と共に左腕を捕まれた。



「そこまで言うなら居てやるよ」



豊に振り向き、舌を出す。



「生意気な女」



こうして私の高校生活が幕を開けた。