コンコン



「学校行かないのか?」



部屋のドアをノックする音と祐樹の声で目が覚めた。



あたし……



あのまま寝ちゃったんだ。



帰ってきてから、布団の上に横になったあたしは昔のことばかりを思い出していた。



考えれば考えるほど、今起こっていることのようにリアルに感じる過去。



「具合悪いから、休む」



「わかった」



学校になんて行けない。



行けばきっと豊に問いただされる。



そして、あたしはまた答えることができないんだ。