「なんだよ?」



「酷い顔だな」



「豊のほうが酷かった」



あの時の豊のほうが化け物みたいな顔をしていた。



それに比べたらあたしの怪我なんて可愛いもんだ。



「痛くないか?」と触られた左の頬が急に熱くなる。



「このくらい痛くねぇよ」



「そうか」



なんだか調子狂うんだよな……



豊がこうして優しいと。



車が学校の前に到着したのを確認し、あたしは外へと出た。



すると、いつの間にか逆側のドアから降りた豊があたし側のドアの前まで来ている。