「カナ!!」
その時、ハァハァという息遣いと共に豊があたしの名を呼ぶ声が聞こえる。
目を開けたあたしの瞳にうつったのは、男達に殴りかかっている豊の姿。
「豊……」
抱えられるように起こされたあたしはすっぽりと豊の胸の中に包まれた。
「翔、後は任せた」
いつの間にか翔とチータも駆けつけてくれたみたいで、2人は男達と女2人を掴まえていた。
「お前はこっちだ」
「痛って」
「足か?」
「くじいたかも」
「手のかかる奴だ」と言った豊はあたしは軽々と抱きかかえる。
「何すんだよ?!」
「この方が早いだろ。大人しくしてろ」
豊の心臓は早く動いていて、息も荒い。
あたしを急いで探してくれたことがわかる。


