豊があたしを気にして、ここにいろって言ってくれているのがわかるから、それを振り切ってまで帰ることなんて出来なかった。



でも、怖い人達沢山いるんだよな……



見たくもないテレビを付けたまま、ボーッと画面を眺めてると、豊がバタバタと動き出した。



「何やってんだよ?」



「あっ?」



振り返った豊は上半身裸……



「な、何脱いでやがる!!」



「着替えだ」



「なんで着替えるんだよ?!」



あたしは豊の方を見ないように、テレビに視線を戻す。



「集会だからな。こんなことくらいで赤くなるんじゃねぇよ」



「なってねぇし」



「お前男に免疫ホントにないんだな」



男に免疫ないのが、悪いかよ?



「お前も着替えとけ」



ドサッと頭の上に服をかけられた。



手にしてみると、男物のジャージだし……