それにしても、座りにくい。 「ねぇ」 「……」 「ねぇ!!ってば!!」 「……」 無理矢理車に乗せておいて無視かよ。 嫌がらせ?! 「おい!!聞こえてんだろ?!」 「えっ?何?!まさかの俺?!」 助手席に座る翔が顔を後ろに向ける。 「違うし。偉そうに座ってる、その男」 「あっ?!」 「聞こえてるなら答えろよ」 「ねぇじゃ、誰に言ってるかわからねぇだろうが」 「お前だよ。名前、わかんないんだから仕方ないだろ」