「ねぇ、2人とも私の存在忘れてない?」



口を尖らせた京香が私と静香の視界に無理矢理入ってくる。



「あー」



「そういえば……」



「ひどーい。私だって静香のために頑張ったのに」



京香は顔を覆いながら蹲る。



「悪い、悪い。冗談だ。京香がカナを連れてきてくれたお陰だろ?」



「ホント」と涙でぐちゃぐちゃの顔を傾ける京香にあたしは手を差し伸べる。



「カナさん、色々とありがとう」



「カナでいいよ」



「うん」



京香は素直で女のあたしから見ても可愛い。



翔が静香とあたしが似てるって言ったのがなんとなくわかる気がする。



あたしと静香は京香とは正反対で……要するに可愛くないんだ。