「明日の朝も迎えに来るよ」
「翔!!」
「いいだろ?俺が責任を持つし」
「好きにしろ」
鬼のお許しが出て、ご機嫌の翔はあたしに向き合い両腕を掴んだ。
「カナちゃんがどういう子なのかわからない。でも、髪の色はどんな事をしても変えたくないんだよね?」
二人のやり取りはよくわからないけどあたしに聞かれたことにはコクリと頷いた。
「わかった。じゃあ明日からカナちゃんの人生を変えちゃうかもしれない。でも、俺が守ってあげるから安心して」
「良くわかんないけど、お願いします。」
本当はあたしの人生変えちゃうなんて、何大袈裟なこと言ってんだよ!!って思ってたけど、訳のわからないこの二人から解放されたくて頭を下げた。
「よしっ!!」
「それでは……」
あたしはやけに重く感じる車のドアを開き外へと出た。
「バイバイ~明日の朝ねぇ」
発進した車の窓から翔が手をヒラヒラとふっている。
その手が見えなくなるまであたしはそこにボーっと突っ立っていた。


