HEAVEN ROAD

「授業に出たくなければ出なければいい」



「何で?」



あたしはこんなこと言う教師は初めてで少し戸惑っていた。



「出たくないのに出たって意味がない。勉強をしなかった事を後悔するのは自分だ。自分で決めればいい」



「そんなこと初めて言われた」



「そうか。俺はな、勉強よりも大切なものは沢山あると思ってる。それを今の年齢で気付き大切に守ることができるなら、後でする後悔なんてちっぽけなものだ」



「なんか難しい」



こんな教師が初めてなんじゃなく、こんな大人に出会ったのが初めてなんだ。



言ってることは難しいけど、優しかった。



有田の言葉も表情もすべてが優しくあたしを包みこんでくれる。