……は……?




何も言えなかった。




栗色の髪を揺らして俺の横を通り過ぎていく_______




咄嗟に俺は茉緒の腕を掴んでいた。




茉緒が驚いて振り返る。




茉緒は……


















__________泣いてた……





















大きな目から涙の粒をボロボロこぼして、泣いていた。




茉緒はそれを隠すように俯く。




そして笑った。




屈強のない笑顔で俺を見据えた。




「……なに?」