「帰ります?」


「傘、持ってんじゃん」

「当たり前だろ?」


お兄ちゃんなんだから。
今だけしか二人でいるなんて出来ないじゃないか、君はわからないのかね?と僕がちょっとどや顔をするにも関わらず
「寒い~」と全く話を聞いていない彼女は無表情。

可愛い“彼女”は僕の裾をつかんで笑う。




僕は妹が好きだった。