「本当だな?」
「うん」
「約束だぞ」
「……………はーい」
ピアスさんはホッとしたような顔でセーラー服から手を離した。
彼は「いつでもおいでな」と名刺を出した。キメキメの顔写真と「maximum noisy」の文字。派手なスーツに、盛った頭は、「ホストやないの……」
「ちなみに未成年はこれまっせーん」
意味ないがな。
すると彼はその名刺を裏返して私に見せる。
「俺の番号す」と私の胸ポケットヘくしゃっと突っ込んだ。
ごつごつした手にはいっぱい指輪がくっついてた。髑髏のやつとか、そんなのばっかだけど。
「ありがとうピアスさん」
「お元気に堕天使」
そういえばピアスさんは何をしようとしていたのかな。
わからないけど、まぁいっか。
いつのまにやら私の中から不安は消えて階段へ向かう入り口へと足を運ぶ。
なんだかやわらかな午後だった。
それだけを覚えている。
踏み出した地面は、もう振りきれない重さと一緒に私を外へと押し出した。


