「………どれ」
彼が私のセーラー服を後ろからガッとめくり「うっわ」と苦笑い。
「痛くねーの」
それ、セクハラですよ。あなた。
私の背中の羽の刺青。
背中一杯に彫ったならもうこの世界では生きられない、そんな証。
金髪の彼も驚くくらい、高校生には刺激が強く、きっと彼には普通の論理。
彼は手を挙げたまま、私の背中を一舐めした。
ねっとりとした感覚。舌が離れたときのスースーする感じ。
気持ち悪くて、ちょっぴりうれしい。
知らない人なんだけどね。
「飛べるかな」
「無理っす」
彼は続ける
死んぢゃうよ、と。
本当には飛べやしない。
ここから飛んでも落っこっちゃう。
それを望んだの。私はそれを願っているの。
でも、振り向いたら彼が、哀しそうな顔をしていた。
それがなんだかもどかしくて「飛びません」と嘘をついた。


