「私、この空から飛びたいだけですけど」
「馬鹿、飛べるわけねぇだろ」
彼は「ぅぉいしょっと!」と立ち上がって私のそばへ来た。
すると横から私の髪をするりと指に絡ませると、それこそ戦隊ものの悪役のように不敵に笑う。
「羽でもついてんの?」
そう言って私を見つめる。
引き込まれるような漆黒の瞳に、見とれながらも私は平然とこう答えた。
「羽ならもうある」
痛かった。お金もかかった。
将来のためのお金をまさかこんなものに使うとは自分でも思ってなかったよ。
天使の傷痕。
壊れそうに甘いStigma
あなたのピアスと似てる、私たちの負の印。