やっぱり、わかんない。あいつも、この歌も。

僕はフゥーと息を吐いた。
息は透明に溶け込んで空に馴染んでいった。
青の透明に消えて、空は明確に色があるのに、こんなにも何もないから。

この空には、何かが足りない。



「だから、君が赤。
僕を、染めてよ」


太陽はいつも側にいた。
ホトホトと燃えて黒をも溶かす。
彼女の笑顔は僕の全てで、僕は卒業間近の最後の勝負にでたかった。
彼女とは違う高校だからさ。