駆けた世界の征服録




ブーーーーーーーーーー

ブザーと共に幕が上がる。
ホールを覗くのは、村のお偉いさんと老人ばかり。


彼は上がりかける暗幕に「頑張ろーね」と一声かけた。流暢な動作だった。
僕は頷いて笑う。

今日は二人とも祭典用のスーツ。
彼も黒いぼろ布からキッチリとした燕尾服。
僕は短パンの可愛めのドレスだったけど。