「えー!春だけずるい!俺にも作ってよー!」
「それはダメです~!!どうせなら、広瀬に作ってもらったら?」
「は、はっ!?な、なな、なんでだよ!」
今までのお返しに、少しだけ意地悪する。
俺の言葉に動揺丸出しの健永に、顔を赤らめて戸惑ってる広瀬。
たまにはやり返さないとな。
「桃菜も料理上手だよ~!」
と、ただ純粋にそう言葉にした華。
その言葉が追い打ちをかけてるなんて、当の本人は思ってもいないんだろうな。
「よく言った!」と心の中で言う。
「へ、へー!そうなんだね!」
なんて、平然を装いながら弁当を食べてる健永。
なかなかにバレバレだけどな。
「華には負けるよー!!」
「私は桃菜の手料理好きー!」
「私はそんなこと言ってくれる華が好きー!」
と、微笑ましいやり取りをする華と広瀬。
仲良いなー、なんて思いながら。
あっという間に弁当を食べきってしまった。
「ごちそうさまでした。」