俺がからかう度に焦って話をする健永。
どれだけ動揺してるんだよ。
「はいはい!わかったよ(笑)」
しょうがないから許してやるよ。
きっと、健永なりに広瀬にアピールしたんだろう。
健永の気持ち、広瀬に届くといいな。
***
「華!私ちょっと予定があって、ご飯一緒に食べれらないの!ごめんね!」
6月初めのある日のお昼休み。
華の元にやってきた広瀬に、「わかった!大丈夫だよ!行ってらっしゃい!」と、手を振っているのが後ろから見えた。
「華、健永も今日ほかのクラスのやつとご飯食べるんだって。」
と、後ろから声をかけると華が振り返る。
「そうなんだ!じゃあ2人で食べよう。」
「そうだな。」
華はそう言うと、カバンからお弁当箱を持ち、椅子を後ろに向けて俺の机にやってきた。
ふたりで弁当食べるのは初めてだな。
「いただきます。」
と、小さく手を合わせる華。
そういうとこ、ちゃんとしてる。
そしてその手を合わせた姿がまた少し可愛く見えて。