「逢いたいよ....」



言葉にしても叶わないのにね。



どれだけ願っても、叶わない願い。



誰も叶えてくれない夢。




何度涙を流せば私の心に空いてしまった空間は埋まるだろうか。




***



「華。おはよ。」



「おはよ、桃菜。」




朝から私はどんよりとした気持ち。



どんなに幸せな毎日を送っていても。




この日だけは気持ちが晴れない。




「今日、行くんでしょ?放課後。」




「うん。」




「私も行く。」




「いつもありがとう。」







────今日は、私のパパとママの命日。






つまり、2人が死んだ日。




毎年命日には絶対に、お墓参りに行ってる。




命日じゃなくても、行く日もあるけど。




桃菜は、私のパパとママの話をした時から命日には一緒にお墓参りに行ってくれる。





会ったことはないけど。




隣で一緒に手を合わせてくれる。




「今日だけは、絶対無理したらダメだからね。いつもダメだけど、今日は特に!」




と、少し険しい顔で言われる。



「うん。ありがとう。」