その笑顔を言葉で例えるとするなら、陽だまり。
温かくて。優しくて。
心の中までポカポカしてきそうな。そんな笑顔。
「俺、桜庭春(さくらば はる)。」
と、自己紹介をしてくれた。
「あ..桜井華(さくらい はな)、です。」
「名前、2文字違いだな!すげー!」
つられて私も自己紹介をすると、そう、ニカッと笑いながら言った。
苗字と名前合わせて2文字違うのは、たしかに珍しいかもしれない。
「華。」
「え、」
不意に名前を呼ばれ、ドキリと胸が音を立てた。
「友達の証に、華って呼んでもいい?
初対面で、ちょっと馴れ馴れしすぎるかな?」
少し申し訳なさそうな表情を浮かべる。
ああ、そういう意味だったのか。
「全然、大丈夫です。」
「ありがとう。じゃあ華も俺のこと、春って呼んで。」
「は、春くん....」
「ん。ありがと。」
そう言って、再び微笑んだ春くん。
なんだかちょっぴり、照れる....
こうやって、お互いの名前呼び合うの。
「あと、敬語で話すのなしにしよ!同い年だし、同じ学校だし!」
「え、あ、うん。わかった。」