孤独な彼女の秘密

「まぁ、それはそうですね。


簪は今回渡せたときの為に見せないでおきますね。」







私はそう言って、押入れにそれを戻した。








それから私は押入れの中身を一つ一つ丁寧に説明していった。








その全てに思い入れがあり、感情が込み上げてきて危なかった。








そして、最後に






「最後ですが、これは私が渡された物の中で一番何というか、面白い物でしたね。」







と言い、出したものは『豊玉発句集』と書かれた書物。







「これは、もしも自分の身に何か起きたら頼むと言われた物です。



読むなとは言われなかったので、隅々まで読ませて頂きましたが。」