孤独な彼女の秘密

それはあまり思い出したく無いものですけど。






「そうですね。


今日以後についた傷です。




ですが、場合によれば今沖田さんが持ってきている刀に同じ傷がつくことは無くなります。




場合によればですが。

まぁ、それは今すぐに話すことではありません。」







そう言うと「そう。」と呟き、私が渡した刀を沖田さんは私に返した。







私は刀を戻し、一冊の書物と一つの簪を押入れから取り出す。








「これは、山南さんが私にくれた物です。



一番、大切にしていた書物と山南さんが愛する人へ送れなかった簪です。」







そう言うと山南さんは少し頬を染める。






敬「確かにその書物は私が昔から大切に持っている物ですね。





今、私が持っているものよりは少し古いですが。」