私はそのまま里を見て回った。




もしかしたら、誰か一人でも。






そう思って。



だけど誰も生きてはいなかった。






里は消滅した。



そう言ってもいいだろう。







他に分かった事は私の憶測でしかないけど、言い伝えの罰は止める事は不可能に等しい。





それだけ。




里のあちこちには桶が転がっていた。



それに父さんと母さんの側にも桶が落ちていたから『間に合わなかった』んじゃないんだろう。






どれだけ水をかけても消えなかったんだ。






そう思った。