ごめんね。今でも君のことが…。


あたしは、こぼれ落ちそうな哀しみをこらえて、立ち上がった。

最後の勇気を出して。

「桃弥……、ごめんね…。あたし、あたしっ……、今でも桃弥のことがっ……!」

なのに、あたしの勇気の言葉は、彼の冷たい声によって、かき消された。


「分かったから。ねぇ、梨音?自分の気持ちに正直になりなよ。俺も、そうするから。
……じゃあな、梨音。幸せになれよ。」

そして、そう言って立ち上がった。


きっと、まだ私に出来ることはある。

でも、ついさっき、ありったけの勇気をふりしぼった今のあたしには、そんな気力は残っていなかった。