二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~



「どこに行っても、辛いっていう顔ができなかったから。このままでいいって言ってくれると、嬉しいな」私は、力なく言う。


しばらく間があいた。


「そっか。それなら、とことん、どん底まで落ち込むといいよ。どうしたの?なんて聞かないから」


「ありがとう。そう言っていただけると、気が楽になります」


「ん、それは、お見合いどころじゃなかったね」


「はい。あっ……でも、お見合いの時は、何もなかったんです。いろいろあったのは、その後の事でしたから」