二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~


営業第三課は、新設された新しい課で新しい素材、バイオ繊維を取り扱う。

研究・開発チームと企画課が頑張ったおかげで、研究段階を経て、既に設備化が完了し、量産段階に入っている。

次は、販路を広げていこうとしている段階に入った。
プロジェクトの中心で彼が頑張って来たおかげで、新素材もどうにか形になって来たのだ。

形にはなって来てるけど、まだまだやる事はたくさんある。

課長になった荻野君を中心に、技術畑から一人、補助の女の子一人、そして営業から二人が入ることになった。

販路拡大が上手く行けば、第三課も普通の課と同じように大きく成長できるかもしれない。

だから、これからこのメンバーで必死に頑張らねばならない。

早速、会議ですよと召集がかかり、全員が会議室に集められた。


「それでは、メンバー全員がそろったところで、第三課の会議を開きたいと思います」
何となく拍手が沸き起こる。

何で拍手?と思ったら、一人場違いな調子で女の子が拍手をしていた。

拍手をしていたのは、補助として営業企画から課長と一緒に移って来た平田花梨。

ずっと荻野君に付いて補佐してきたから、離れるくらいだったら会社を辞めると言ってくっ付いてきた女の子だ。