二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

「なかなかしかりした方ね。高岡さんって」

「そうかな」

「ずっと一緒にいたなら、そのくらい分かったでしょう?」

「はい、はい。しっかりした方でした」

「どうするの?決まったの?」

「決まったのって……」

「どっちなのよ」
すっとふすまが開く音がして、叔母が入って来た。

「姉さん、葉子が帰って来てもせかさないって、約束でしょう?」

「ええ、そうね。でも、どうしても気になって」
母は、私に袖のたもとを持たせながら言う。

「私の予想では、お茶だけ飲んで帰ってくるかな。だから一時間もすれば戻ってくるって思ってたけど」

そういえば、ずっと話し込んでたから、夕方近くになってたはずだ。
そんなに長く話していたんだ。


「先にお風呂にする?あんたが出てくる前に食事の支度整えておくから」

有無を言わせずに、バスタオルを押し付けられる。

「はい」