高岡さんとは、お互いの都合のつくときに、月に数回、会って食事をするということになった。
「何でもいいよ。楽しく話そう。仕事の事でも、趣味についてでも」
この人は、なぜか秘密の関係でも始めた子供のように楽しそうにしている。
「はあ」
やっぱり、面倒なことになりそうな予感しかない。
多分、私もこの人も、自分の考えを通して、お見合いを断ることが出来ないのは、自分の家族のことを大切に思ってるからだ。
そういうのは、自然に、なんとなく感じられる。
「まあ、上手く行かなくなったら、その時はちゃんとするから。心配しないで」
彼は、私の気持ちを察したのか、優しく言う。
「はい」
と言われましても。
私も、どうしてこう、強く言えないんだろう。
特に、母親が後ろに透けて見える場合は。
「本気で、交際を続けるって言うんですか?」
出来れば、うやむやに。
「もちろん、本気だよ。うやむやにしてると、ハッキリさせられるぞ。そこんとこしっかりしないと、敵は侮れないからな」
「わかりました。高岡さんって、誰でもいいから、あきらめて結婚したらいいんじゃないですか?」
「それも考えなくはないけど。気持ちがないのにそうするのは、相手に失礼でしょう?」
「そうですけど」
「ん、まあ、当面のところ共同戦線を張ろう。熟女3人のパワーは凄いぞ」
「はい」


