二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~



「だからって、同じようにこっちまで合わせることないでしょ?」

「だって、せっかくだし」

あのねえ。振袖って20代までじゃないの?
もう、賞味期限切れだって。


「もう、ちゃんと約束守ってくれないと、今度からはお断りするよ」
もうたくさん。
正直言って、土曜日も仕事が入ったんだ。

日曜日くらいゆっくりしたい。


「だって、周りの友達がいうんだもの。31歳の娘なら、もう少し焦った方がいいって」

「焦ったからと言って、何も変わらないでしょう?」
頼むから、もうやめて。

「だって、喜美ちゃんとこの有美ちゃん、本人の言う通りにさせてたら、大幅に
婚期が遅れたって」

あああもう、父親のいない娘は婚期が遅れる……
母は、その思いにとらわれてる

父さんが早く亡くなったのは、誰のせいでもないでしょう?

「もう、分かったから。ちゃんと日曜日には時間作って会いに行くから。それ以外のことには目をつむって」