「本当最低な野郎だね。茂樹君。その最低な人、お姉さんにくれるかな?お姉さんがもらってもいい?」
大人は誤魔化せないかもしれないけど、子供になら効くかもしれない。
「ダメ!!誠はママが好きな人なんだ。誠がいなくなったら、ママが悲しむ!」
茂樹君は、今度は私に向かって言った。
心の中で、軽くガッツポーズする。
「本当かそれ?君のママがいったのか?」
「言わなくたってわかるさ」
茂樹君は、バカじゃないのって目で高岡さんを見る。
「本当に?」
今度は、高岡さんが彼女の方を見る。
「茂樹君って誠を嫌いだって聞いたんだけど、本当?」
私は、お芝居を忘れて言う。
「違う!!嫌いじゃない」
私は、高島さんの前に立った。
「高島さん、嫌いじゃないそうですよ」
彼女に向かって、笑いかける。
彼女は、どういうことって高岡さんを見てる。
「高岡さん、よかったですね。私はこれで帰りますね」
「バイバイ、茂樹君」
「バイバイ。早く帰れよ!」
私は……
茂樹君に嫌われたかな。


