「ほら、こんなにきれいじゃないか。
この姿を、俺がどれだけ想像したと思ってる?
この体を高岡さんが、好きなように抱いてると思って、どれだけ辛かったか分かる?
それでも、俺に見せるのは嫌?」
びっくりして、目が丸くなる。
何で高岡さんなの?
「嫌じゃない。違うの。
そうじゃなくて、がっかりされたくなかったの」
「するわけないだろ。じっと見てやる。忘れないくらいに」
「そんな……」
「もう、マジで余裕ないから。
高岡さんの方が、よかったなんて思われたら俺だって、死んじまいたくなるけど」
「そんなことわかんないよ。だって、高岡さんとは何にもなかったもの」
今度は、彼が驚く番だった。
「なかったの?嘘だ。何でないの?」
と、言われましても……
「キスもハグもなかったよ。何にもなかった」
「本当なの?それ」
「ええ」
「胃までおかしくなった、俺の苦しみはどうしてくれる?」
「これから、償います。だから、許して」
「ダメだな。今日は、これから散々いたぶってやる。覚悟して」
「そんな……」
【完】