「ダメ……見ないで」

「ダメって。もう、何年、我慢してると思ってる?」呆れたように彼が言う。

私は、荻野君の顔を手で覆って自分の体を見られないようにした。

顔が赤くなってるかもしれない。

「葉子、これはどいうこと?俺のことが嫌だってこと?」

小さく違うと言って首を振ったけど、

「聞こえない」
とイラつきながら言われてしまった。

本当に、私でいいのだろうか?

って言うよりも、荻野君の段取りの良さについて行けない。

彼がイラつくのもわかるんだけど……

「もう、いい加減にしろよ」

ぐいっと両手首をつかまれて、押さえつけられた。