二人の彼～年下の彼と見合い相手の彼 ～

「本当に往生際の悪い人だな、大人しく言うこと聞いてよ」

「あの……」
荻野君が隣に座った。

「君こそ、本当に俺でいいと持ってるの？」

「もちろん」

「それなら、葉子からキスして」
こんなときに、何を言い出すのよ……

荻野君は、私が行動を起こすのをじっと待っている。
私は、遠慮がちに彼の頭のてっぺんにキスをする。

「もう、仕方ないな」
彼の指が私の頭を捕えて、彼と目が合うように固定する。

恥ずかしくて目をそらそうとしても、どこまでも彼の目が追いかけて来る。

「心の底まで見せないと、こうして、いつまでも見つめたままでいるよ。
俺のこと好きなんだろ？逃げるなよ」待ちきれずに彼の方からキスをしてきた。

彼の気持ちに応えようと、キスを返しても、彼の方からそれ以上にのキスを返される。

「ごめん。止まらない。今だけ……俺の好きにさせて」

強引なキス。

少し乱暴に、服を脱がすとあらわになった肌に、むさぼるように唇を押し付けてくる。