二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

「祝福された?」

「ああ、やったなあってガッツポーズして、幸せにしてやれって言われた」

「えっと、あの……」

「君に任せておくと、いつ解決してくれるのか分からないからね。
君の婚約者とキッチリ話をつけて、こういう遠い場所に連れて来て、説得しようと思たんだ」

「どういうこと?二人で、私をどうするか、話し合って決めたってこと?」

「まあ、そう言えるかも知れない。こういうのは、1度に話をつけた方がいいからね」

「あの……」
彼は、上着を脱いで、椅子に掛ける。

「もう逃げられないよ、君のお母さんにも電話だけど挨拶しておいたから」

「母にも?ちょっと、何てことするのよ」

「だって。黙って君とこういう関係になるのに、君のことだから、後でお母さんが知ったらって気にするだろう?」

「お、荻野君、ちょっと待って」

「待てない」
彼が、ネクタイを外しながらにじり寄る。