二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

「えっと……」

「面倒だから、部屋は一つにしたよ。経費の枠を、ぎりぎりまで使ってデラックスタイプにしたから」

「荻野君?」同じ部屋に泊まるってこと?

「心配するな。前払いだから会社にはバレない」

「そんなこと心配してるんじゃなくて」

「何を心配してるの?」

「だから、あの……」

「君は、どっちのベッドにする?」

「荻野君、そんなことじゃなくて。
だから私は……」

「君は、何を気にしてるの?それとも、俺とこうなるのが嫌なの?」

「嫌じゃないけど……」
物事には、けじめをつけなければならない。

「もう、悩む必要ないじゃないか。
君は今、誰のものでもないよ。
でも、これから俺のものになるけど」

「ふざけないで」

「ふざけてこんなこと言うかよ」

「どういうつもりなの?私は高岡さんと……」

「高岡さんと?おかしいなぁ、その高岡さんが、俺たちのこと祝福してくれたよ。
頑張ってものにしろって。
こういう時は、躊躇しちゃダメだって、アドバイスもくれた」

「はあ?」

「彼と話したよ。俺の方は、彼に殴られるの覚悟で打ち明けたけど。
彼に、おめでとうって最初に祝福されたよ」