二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~




彼は、まだ、私の顔をのぞき込むようにしてる。


「どうかした?まだ、何か言いたいことがあるの?」

彼は、さらっと言った。

「それから、早速なんだけど。今週末って暇?」


「ん?」なんだ?いきなり。

何を言い出すの?


「付き合って欲しいとこがある」

付き合って???

付き合って、という言葉が出て心臓が跳ね上がった。


「ええっと……日曜日は予定があるけど。それ以外なら」

いったい、何?


彼の表情が、さっと変化した。
ほんの少しだけれど、厳しい目つきになった。

腕を組んで考えてる。
「いいや。日曜日じゃない。土曜日のつもりだけど」

よかった。勘違いにもほどがある。
いきなり、デートになんか誘われたりしないって。

「ああ、よかった。土曜日なら大丈夫」


「日曜日って、予定でもあるの?」


「うん。ちょっとね」


「もしかしてデートとか?誰かと出かけるの?」


「デートじゃないけど、人に会う予定が入ってて。断れないんだ」