二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

「えっと……」

「何で乾杯するかって?婚約解消だろう?」
大丈夫だろうか?
相手のこと好きじゃなくても、婚約解消ってショックなのかな。


「婚約っていっても、特別、何かしたわけじゃないですけどね」

「何もしてない。言っただけだ。でも、言った後はいろいろ影響が出る」

「はい。その通りです」

「どうするか……」

「あの……実は、うちの母が彼の病室にやって来て、私たちの様子を見て、私が荻野君を好きなことまで、全部ばれてしまいました」

「あっ、そう。そうしたら、下手な小細工はいらないか。っていうより、何もできないじゃないか」

「はい」

「うわあっ、どうするかなあ。お袋にバレるのも、そう遠くはない」


「どうしましょう。私振られましょうか?」
私は、同情して言う。

「ダメ!そんなことしたら、俺は余計に窮地に立たされるじゃないか」

「そうですか?」
何が窮地なのか、よくわからないですけど。

「くそっ、自分だけ上手くいきやがって」
こつんと頭を拳固で叩かれる。


「すみません。もう少し婚約者のままでもいいですよ」
彼は腕組みして答える。

「そうはいかないだろう?あいつと付き合うの我慢できるのか?」

「大事な友人の為なら、一週間ぐらいなら」

「なんだよ。それじゃ解決しないじゃないか」