二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

大きなバッグを抱えて電車に乗っている間も彼のことを考えていた。

あんなふうに思われていたなんて。

古い写真も結構あった。

どこに写っているのか分からないような、小さな写真まで大切にしていた。

今までずっと、心の中にしまっておいた気持ちを口にするようになったんだね。

彼にどんな顔して会ったらいいのだろう。

多分、彼が部屋に行かせたのは、私が横にいたからという理由だけじゃない。

見せたかったのかな。


ちょっとだけ、病室に入るのを躊躇して考えた。

でも、着替えを持ったまま帰るわけには行かない。

もう。
まんまと荻野君の術中にはまってる気がする。



病室に入ると、荻野君は体を起こしていた。

「取って来たよ」

「ありがとう」