二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

もっと欲しい……

心の声が心臓から、聞こえてしまう。

彼の体がすっと離れて、指が胸元のボタンを探っている。

「荻野君、ちょっと待って……」
言葉をキスで塞がれ、あっという間にシャツの胸元のボタンが外されていた。

「ちょっとだけ、我慢して」
ブラの肩ひもを外されて、カップがずり下がった。

「何するの?」
彼の顔が下りて行き、唇が肌に触れた。

胸元のカップをずらした場所に、唇を当て強く押し当てられた。

「あっ」

強烈な感覚の後、触れたところから熱を帯びてくる。

彼は体を離し、それ以上触れようとしなかった。

「見えないようにあと付けたから」

「ん?」

「君に他の男が触れるなんて許しがたいけど。向こうは婚約者だからね。これ見たら。なんか言ってくるでしょう」